「落とし前」

 

 

本気で、今回の件でえぐられた俺の傷の落とし前つけさせてもらう。」

あいつはそう言った。

覚悟はしている。

何されてもおれは文句言う資格無い、
おれはそれだけのことをあいつにしたんだ。

 

でも身震い。

あいつの恐ろしさは知ってる。

暴走すればどうなるのかは、
話に聞いただけだけど、
あいつ自身から聞かされてる。

恐れないわけはない。

 

神様からみことばもらったばかりだけど、
そりゃ生存本能あるもの。

痛いのが嫌なのだって当たり前。

 

なぜか思い出したイエス様のセリフがある。

「あなたがしようとしていることを、
 今すぐしなさい。」

ユダが自分を裏切って敵の手に引き渡そうとしていることを知っていながら、
イエス様は彼にそう言った。

どんな覚悟だよ・・・

しかも、おれは、自分のしたことの罰を受けようとしてるけど、
イエス様はデコピン一発される筋合いすらないほどに
何もしてないのに。

 

イエス様、あの時のあなたの勇気を
1%でもおれにください。

ゲッセマネで死ぬほど身悶えしても、
十字架を受け入れる覚悟を決めたあなたの勇気を、
1%でもおれに。

 

そして、あいつが、正当に怒りを表現するときに
サタンにつけいられることがないように。

おれが痛みを回避するためより、
ほんとにそれだけは思う。願う。

 

神様、あいつを守ってください。